私の勤務していた電話占いサイトで人気があったのは、不倫相談を得意とする占い師さんでした。
不倫相談の回答は占い師さんによって大きく二つのパターンに別れていました。
「肯定する人」と「否定する人」です。
どちらが人気だったかというと「肯定する人」です。
電話占いを利用して相談するユーザーは、日常的に誰にも相談出来ない事柄だからこそ、電話占いで高い料金を支払って相談しているわけで、お金を払ってまで否定されたくない！という思いを持たれる方が多かったのかなと思います。
自分の中では「不倫関係は続けたい」という答えは既に出ていて、関係を続ける前提の相談をする中で「不倫を辞めた方がいい」という回答は一般論でもありますし、そういったユーザーから受付に「全然当たらなかった」というクレームを受ける事も多々ありました。
占いを信じない私としては一般論でもある「否定する人」の意見の方が正論かなと思っていましたが、それは私が不倫経験が無いからそう思うだけかも知れません。
ただ、不倫を否定する人というのは、占い師さんの中では「思いやりがある人」なんだなという印象を受けました。
占い師さんは話せば話すだけ自分のお給料になります。つまり、肯定していた方が稼げるんです。
にも関わらず、未来の無い不倫を早く終わらせて、ユーザーの為を思った発言をするというのは思いやりがある行動だと思います。
自分から遠い存在や赤の他人と接する時、人は基本的に面倒は避けるもので、本当は否定的な意見を持っていたりしても、無駄な争いを避けるために見てみぬふりをしたりするものだと思います。
しかし、相手が家族、恋人になると人は感情的になったりします。愛情・情があると、人は相手の為を思った発言をします。時には自分の事を理解して貰いたいと思ったりして感情をぶつけたりもします。
その人との先々を見据えて、なおして欲しいと思ったら注意をしますし、関係を今後も続けて行きたいからこそ、注意をしたり否定があるのだと思います。
電話占いで初めましてのユーザーに対して、自分がクレーム対象になるであろうリスクを追いながら、商売という観点を抜きにして、否定をするというのはとても凄いことだなと思います。
肯定される事で「この先生は不倫をしている私でも、味方でいてくれる」と感じてしまうかも知れませんが、果たしてそれが本当に味方なのか、というと全てがそうでは無いと思います。
これは電話占いや占いに対する価値観によって大きく変わって来るかも知れません。
一時的な安らぎが欲しかったり、安心したかったり、明日への活力を得たいという利用なら「肯定する人」の鑑定が良いかも知れません。
「当たる」「的中率」などの点からすると「否定する人」の方が良いかも知れません。
不倫で得られる幸せは、誰かの不幸の上に成り立つ幸せですし、不倫経験のある人と一緒になる以上、一緒になった後にまた不倫をしたりされたりする可能性があります。
不倫でない、普通の恋愛に切り替えた方が全てが円滑に進みますし、一人で抱え込む必要もなくなりますし、後ろめたさなく、楽に暮らせるだろうなとは思うんですが…。
やっぱり本気で好きになってしまうと頭では理解出来ていても、心のコントロールが難しいのでしょうね。